“VERSUS.03” 公開
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VERSUS.03の2作品が公開されました。
無敵の絶対王者roopさんに、驚異的成長を続ける神童miiiさんが挑むという構図になった今回の対決ですが、
「3拍子」という難しいルールながら、全くタイプの異なる素晴らしい2作品が出揃いました。
さっそく両者の作品を(投票行動に影響が出ない程度に)簡単にご紹介します。
◆ 王者(V2) roop
[CROSSOVER] AURORA / roop … 5key☆4、7key☆8、10key☆7、14key☆7
近年はノリノリ系BMSが多かった王者ですが、今回は究極のオシャレBMSを擁してこの大一番に臨みます。
出だしから奏でられるエレピが導くのは、美しきクロスオーバー・ジャズの世界です。
オーロラの煌めきにも似た輝かしいトランペットや、柔らかくて暖かみのあるサックスの音色は
まるで奏者が眼前にいるかのような立体感と臨場感を味わわせてくれます。
中盤からのピアノのタッチは強弱の大胆さ・繊細さも抜群で、サックスとの絡みには思わずうっとり。
全ての煩悩やしがらみを捨てて、この音楽に身を任せたいと思わずにはいられません。
roopさんには珍しく7key・14key譜面も同梱されていて、王座防衛への熱意と執念が感じられます。
3拍子というテーマのVERSUS.03を3連勝のトリプル3で飾れるか、ぜひご注目ください。
◆ 挑戦者 miii
[Waltz] The Birthday Of Deadmans / miii … 5key☆7、7key☆9
期待の若獅子miiiさんの作品は、☆-1GRANDPRIXで脚光を浴びた “Deadmans Clubjazz” の続編です(?)
楽曲の舞台は、死者たちによって催された一夜限りの死の舞踏会。
しかしその雰囲気は不気味というよりどこか優雅で、奇天烈かつシニカルな滑稽さが漂います。
冒頭から華麗なワルツのステップが踏まれますが、ピアノの旋律は人を喰ったようにエスプリに富み、
そのせいか終盤ではダンスパーティが一転、死者たちがガバキックを振りかざして大暴走を始めます。
衝撃のラストには意外なオチも控えていて、思わず「してやられた!」と感じること請け合いです。
サン・サーンス「死の舞踏」を彷彿させる題材と拍子、馬のいななき(3拍子は騎馬民族由来のリズム)など
本作は伝統的な3拍子概念を踏襲しつつ、現代風のセンスで再解釈と味付けを行ったものとなっています。
最強王者を倒して世代交代を成し得るか、miiiさんの真価が問われる戦いになるでしょう。
※ なお、前作(?) “Deadmans Clubjazz” は現在もDL可能のようです。
miiiさんの3年前の姿を見てやろう!という意地悪な方はこちらのページからどうぞ(Sato.S the Goodman.名義)。
慌てて消したりしないように>miiiさん
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「3拍子」というテーマで両者がどう出てくるか注目されましたが、
互いにジャズとワルツということで、非クラブ色の濃いジャンルに落ち着いたようです。
どちらもBMSではかなり稀少な曲風なので、長く遊べる作品になりそうな予感がします。
一応両者のスペック比較もしてみました。
類似点も多いですが、対照的と思えるのは譜面に対する意識の違いでしょうか。
王者は難度的にもスタンダードで気持ちよく叩ける譜面なのに対し、
挑戦者はハード判定やソフランなどでゲーム性を追求した、熟練プレイヤー向けの譜面となっています。
このあたりは投票者の趣味嗜好が出やすい部分なので、どう結果に影響するか興味深いです。
投票締切は2月21日まで、つまり次の日曜日いっぱいです。
以前も書いたように、期間途中の18日からEXTREMEBEAT、20日からChaosStageが開催されるので、
いつにも増して早く投票を済ませた方が良いでしょう。
コメントなしでも投票可能なようですので、より熱いバトルにするためにも、皆さんどしどしご投票ください。
VERSUS.03
http://str3.org/versus/event.cgi?battle=3
関連記事:“VERSUS.03” 展望
http://bmsmiho.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/versus03-64b5.html
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◎ 前回の記事に関連して、コメントや拍手で「6/8拍子も3拍子では」という意見を何件か頂いたので補足。
結論から言うと、6/8拍子はやはり2拍子です。
>Wikipediaでは123123のリズムで、2拍子ですが、121212のリズムだと3拍子になりますよ。
ご指摘のリズムは確かに3拍子ですが、
それだと、もはや6/8拍子ではなく、ただの3/4拍子となってしまうのです。
3/4拍子と6/8拍子は、どちらも1小節に8分音符が6つあることは同じですが、
それを[12・12・12]と分けるのが3/4拍子、[123・123]と分けるのが6/8拍子です。
前者は[12]の組が3つなので3拍子、後者は[123]の組が2つなので2拍子に属します。
ここらへんは決まり事なのでもう納得してもらうしかありません。
もちろん、6/8拍子において[12・12・12]という音形が部分的に挿入されることもありますが、
その場合は弱拍(シンコペーション)の動きとして認識されるのが通例で、
「2拍子の中でなんか難しい動きをしている」というように、あくまで例外的なものとして解されます。
[12・12・12]が何小節もずっと続くようなら、その時は3/4拍子に拍子変更されるでしょう。
3/4拍子と6/8拍子の違いがわかりやすい曲としては、
ウエストサイドストーリーの “アメリカ” が有名でしょうか。
上の動画の58秒くらいからのメロディがそうです。
「タタタ タタタ タンタンタン」の「タタタ タタタ」が6/8拍子、「タンタンタン」が3/4拍子のリズムです。
1小節の長さは同じなのに、フレーズの違いだけで拍子が変わっていて面白い例だと思います。
…という感じでいかがでしょう?拍子ってムダに複雑でわかりにくいですよね。
今回のVERSUSをきっかけに、BMS界でも3拍子が見直されれば良いな、と思います。
何言ってるかわからなかったり、間違ったことを偉そうに書いてたりした場合には
指摘とか訂正とか説明要求とか何でもお気軽にどうぞ。お待ちしています。
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