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2010/05/20

“P2DUEL” 回顧

BMS界No.1アイドル決定戦 "P2DUEL"

P2duel_bnsp

乱入 : 3月14日(日)~4月4日(日)
支援 : 4月5日(月)~5月8日(土)
投票 : 5月2日(金)~5月9日(日)
主催 : P2DUEL実行委員会

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BMSキャラクターのナンバーワンを決めるイベント、"P2DUEL" が終了しました。

各種データ・結果分析等は総評もしくは詳細結果にありますが、まずは結果から振り返ってみます。

P2d_result

ということで、パピルスちゃんが2位以下に大きく差を付け、
BMS界No.1アイドルの座を射止めました!おめでとうございます!
総投票数が116票なので、実に過半数もの投票者から支持を得てのトップアイドル戴冠となりました。
2位にはパペ子がランクイン。"P2DUEL"の主人公の一人として面目躍如の準優勝です。
一部では本命とも噂された純子先輩は3位敗退。しかし期間中に彼女が築いた様々な伝説は不滅です。
以下、4位争い・7位争い・ビリ争いもそれぞれ熾烈を極め、非常に見どころの多いバトルとなりました。

1位になったパピルスには、優勝特典の「BMS界の真のアイドルの称号(有効期限1年)」が与えられます。
有効期限1年というのが世のアイドルの寿命の短さを暗示しているようで残酷ではありますが
今後は名実ともにBMS界の看板キャラとして、よりいっそうの活躍を見せてくれることでしょ う。

このイベントは、BMSのキャラ人気を競うという点で、
2003年にDEEで開催された第一回キャラクターダービーの後釜と言えるイベントでした。
ガリさんシロマルが優勝した当時も、数多くのスーパースターや名ヒロインがひしめいていましたが、
今回の"P2DUEL"の出場者は以前とは一新されていて、この数年でいかに沢山のキャラが誕生してきたか
BMS界の歴史と発展をも読み取れる、非常に興味深い大会になったと思います。

さて、今回優勝したパピルスのプロデューサーはorangentleさんと浪漫映像制作倶楽部さんですが、
まずorangentleさんのほうは、今回がBMS関連では初のタイトル獲得となりました。
(“Papyrus”が「びむらじリスナーが選ぶ2009年ベストBMS」に輝いたりはしましたが、公式戦では初です)
パパに念願の優勝トロフィーをもたらしてくれるなんて、パピルスは本当に親孝行な娘さんです。
浪漫映像制作倶楽部はymbpさん&masasi(mss)さんの両名によるユニットで、
masasiさんはorangentleさん同様、今回が(多分)BMSイベント初タイトルとなります。
一方のymbpさんは05年の"Rise in Revolt"で “ラジオ・チャンネル / morigasigeru” のBGAを担当して以来、
実に4年半ぶりの首位獲得のようです。もっと勝ちまくってるかと思ってたので個人的にはちょっと意外でした。
ともあれお三方、本当におめでとうございました。

 
 

 票数・順位の推移

期間中の票数獲得状況は以下のようになりました。

P2d_score

パピルス・パペ子の2強が終始リードした展開となっています。やはり主人公補正は強い!?

そして順位変動はこちら。

P2d_rank

パピルス・パペ子は安定した戦いぶり。
純子先輩は序盤ではナレと拮抗していましたが、終盤戦で一気に突き放しました。
順位変動で面白い動きをしていたのは、じりじりと尻上がりに順位を上げていったエレラビッツや、
一時は最下位争いも演じながら、ラストで驚異の追い込みを見せたラベ子あたりでしょうか。
最終日は順位変動が激しく、キャラによって明暗がくっきり分かれる形となりました。
 
また"P2DUEL"ではNo.1アイドル決定戦の他に、「パペ子とパピルスならどっち?」という項目もありました。
そちらのパペ子VSパピ子直接対決の模様は次の通りです。

P2d_papepapi

パピルスがパペ子を紙一重で上回りましたが、序盤とラストは本当に僅差の争いで
本戦同様こちらも非常に見応えのある戦いとなりました。パペパピは最高のライバル同士ですね。

そんな感じで盛り上がった"P2DUEL"でしたが、唯一イベント進行上で勿体なかった点は、
最終日の1時~19時頃の半日以上、投票ページ(efeel)が落ちていたことです。
全ての支援が出揃った後、いざ投票しようとしたら無理だった、という方も少なくなかったことでしょう。
efeelの都合なのでどうしようもないですが、これさえなければもっと多くの投票が見込めただけに、
折角のイベントに水を差されたようで悔いが残るようなところもありました。残念!

 
 

◆ 支援詳細

今回のイベントの最大の特色が「支援」でした。
プロデューサー本人以外からのアイドル応援投稿を受け付けることで、
「制作者の省エネ」と「観戦者の参加型イベント」の両立を実現する理想的なシステムと言えます。

とはいえ、他人様のキャラクターを使った二次創作は、BMS界ではまだまだ一般的ではないため
告知当初は私も「支援はあまり多くなさそうかな…」などと内心危惧していたというのが本音でした。
しかし支援募集が始まってみるとそれは杞憂に終わり、沢山の応援作品で会場は溢れかえりました。

P2d_sientype

上図は支援の種類別の作品数です。
パペ子人形(ルゼさん投稿、石王マサトさんのお母様作)や
純子先輩のtwitter(CRUNCHさん投稿)など、個性的なものもありましたが、
予想通りと言うべきか、支援の大部分を占めたのは新作BMSとイラストとなりました。
特にBMSは非常に豊作で、同時開催の"OVA"を喰らう勢いで良作奇作が投下されました。
全曲リストを貼っておきますので、取り逃しがないかもう一度お確かめください。

P2d_sienbms

なお、今大会で支援投稿を特に頑張った人としては、
イラスト2枚(+終了後1枚)の石王マサトさん、BMS1作&イラスト1枚のびっとあっぱーさん、
BMS1作&BGA1作&twitterのCRUNCHさんあたりが非常に印象的でしたが、
個人的なベスト支援者は、BMS1作&イラスト3枚(+α)のEstさんだったと思います。
ご本人は主催の責務を果たしただけという部分もあるかもしれませんが、
支援が少ないアイドルにも積極的に応援し、しかもBMSまで作るのは大変な労力を要したことでしょう。
ここに挙げた4名の方々をはじめとして、支援を送った全ての皆さん、本当にお疲れ様でした。

ただ、もし来年"P2DUEL#02(仮称)"を開催するのなら、
「支援期間中、アイドルキャラを使用した作品の制作・発表は全面的に許可する」というお墨付きを
主催運営側のほうで各作者に取り付けてきてくれると、支援する側も権利関係に萎縮せずに済んで
いっそう活発な支援の応酬が見られて良いかと思います。そこらへんの検討はまた来年に。
 
 
 
◆ その他統計等

 ● 支援後/支援前の投票傾向

今大会では、全支援公開後の投票期間はわずか1日だけのため(しかも投票ページが落ちた)、
結果として支援発表前の票が順位を左右することになりました。
しかし、支援公開前/公開後の投票傾向には顕著な差が見られました。

P2d_beforeafter

支援前にはパピルスパペ子純子の順に票が投じられていましたが、
支援後は純子先輩(支援数3)がトップ、続いてパピルス(支援数3)とラベ子(支援数5)が並んでいて、
多くの支援(特に支援BMS)が寄せられたアイドルが票数を大きく伸ばしています。
とりわけラベ子は前半9位と沈みながら、4作品もの支援BMSパワーにより最後はパピルス級の猛ラッシュ。
逆に、前半戦で好調だったナレ(支援数3)あたりは、支援BMSが1つもなかったせいかラストで失速。
最終日だけだったとはいえ、支援が投票行動に多大な影響を与えたことは明らかだったようです。

 

 ● 投票コメントランキング

投票時には各キャラへの熱いコメントを記入することができました。
そのコメント欄で、アイドルたちの名前が何回書かれたかを調査してランキングにしました。
"P2DUEL"にエントリーしてないアイドルであっても、名前が書かれていれば集計にカウントしてあります。
集計は記述回数の単純合算で、例えば「みほ可愛いよみほ」というコメントなら私に2pts入ります(ねぇよ
 ・ ただし、明らかに応援メッセージでないと判断できるものは除外しました
 ・ 「純子先輩!!!!!!×219」というコメントの219回分はさすがにアレなので、勝手ながら1回分に換算させていただきました。

言ってみればこれはアイドルの熱狂度ランキングです。
もっとも妄信的なファンを多く抱え込んでいるのは一体誰でしょう!?

P2d_commentcalled

ということで、熱いコメントが最も多かったアイドルは純子先輩でした。
コメントの一部を抜粋してみると、

・ 純子先輩の眼鏡を舐め舐めしたいお!
・ 純子先輩たんの栗色ショートヘアの髪をクンカクンカしたいお!
・ 純子先輩一筋ってことだよ言わせんな恥ずかしい

などという破壊力あるメッセージが寄せられています。先輩はいま空前のモテ期のようです。競争率高し!

晴れてBMS界のナンバーワンアイドルに輝いたパピルスが貫禄の2位。
こちらもコメントの一部を抜粋してみると、

・ ハピルスのスマイルはどこのマクドナルドに行けば買えますか
・ パピルスなら今俺の隣でグランドフィナーレだよ。

というような、上手いけど壮絶なコメントがずらりと並んでいます。

その他の順位は図表の通りですが、ここでは"P2DUEL"不参加アイドルにも待望論コメントがありました。
アスティアさんオーロラたんマカロンさん携帯ちゃんAltMirrorBellの女の子の5人です。

P2d_futureidols

このあたりのキャラも、第2回P2DUELが開催された折には満を持して出場してくれるかもしれませんね。
改めてBMSキャラクターの層は厚いと思い知らされる限りです。

なお、コメント一覧は総評ページの各回答からどうぞ。

  

 ● ナントカ2DUEL

"P2DUEL"というイベント名は、昨年開催されたBMSタイマンイベント"B2DUEL"のパロディです。
この種のDUELイベントは既に幾つか開催されていて、代表的なのは次の2つです。
"K2DUEL" … 歪みねぇBMSイベント。王者FALL vs. えいか の対決でしたが、乱入のmorigaさんが勝利。
"O2DUEL" … BMS作家による料理対決。fen vs. bitscape で開催され、bitscapeさんが勝利。

つまり今回は、DUELシリーズ(?)4つ目のイベントだったということになりますが、
ネット上(主にツイッター)では、有志により日々DUELシリーズの新イベントが企画されているようです。
そこでそれらを勝手に調べ上げ、一覧にして掲載してみました。

P2d_nantokaduel

わけのわからない対決ばかりで実にカオス。しかも対戦カードまで決定済みのものもありますし。
「このイベント見たい!」という人は、発言者を検索して「開催しろ」と圧力をかけてください。私は知りません。
 
 

   ◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆ 

 

そんな感じで"P2DUEL"は非常に楽しいイベントのまま終わりました。
「びむらじ」乗っ取りに失敗したり、変なアイドルの参戦が相次いだり、最終日に投票所が落ちたりと
色々と試練の連続ではありましたが、なんとか乗り越えて綺麗にまとまったように思います。
 

今までBMSキャラクターたちは話題になることはあれ、なかなか主役にはなれませんでした。
しかし脇役扱いで使い捨てるにはあまりに勿体ない、そんなキャラクターたちの宝庫がBMS界です。
今回こうして大々的にアイドル決定戦を行えたことは、界隈の埋もれる価値を見出したに等しいですし、
キャラクターを産み出すBGA作家たちにとっても大きな励みになるものだったでしょう。
気楽なノリのイベントでしたが、今大会が及ぼした意義は極めて大きいものでした。

また、出場したキャラクターたちも、注目を浴びたことにより好影響が出てくるのは確定的で、
次からは「○○子が出てる!」などとインプレで言及されることも増えるはずです。
今大会を機に各作者さんのブランドが一つ確立するようでしたら、これ以上の収穫はありません。

このイベントの続編の開催については現時点では未定のようですが、界隈の世論次第かと思います。
「この手のイベントがまた見たい!」「パピルスがNo.1アイドルを名乗れる期間を延長させたい!」という方は
各地で色々コメントしたりすれば、きっと主催側に意見が届くこともあるでしょう。
クリエイターや運営サイドとの距離が近いことが、BMSシーンの良さの一つですから。
 

ということで、以上のような感じで「“P2DUEL” 回顧」を締めさせていただこうと思います。
主催のEstさん、orangentleさんを始め、参加者・支援者・投票者の皆さん、お疲れ様でした。

 
 

(オマケ)

純子先輩にもmihoclapを見ていただいているようです。どうもありがとうございます、光栄です(笑

P2d_junkoclap

純子先輩のtwitterアカウント(爆破停止中)はこちらです。どっぴゅん!
 
 
 
 
 

P2DUEL
http://estish.nobody.jp/p2duel.html

 

__________

 
 

最近イベントにかまけてBMSレビューに全然手を付けてなかったのですが、
リハビリも兼ねて、今回の "OVA" "P2DUEL" 以降のイベントでは
私が一番気に入った作品を1000字程度でサクッと記事に取り上げてみようと思います。
ということで次回はP2DUELから1作品、その後にOVA回顧という予定になります。
レビューは苦手分野なのでいつまで続くかわかりませんが(^-^;

"第七回無名戦"は49作品。かなり多くの登録が集まりました。
数が多くて溜め込むと大変なので、私もこれからちょこちょこインプレしていきます。
会場で見かけた際はよろしくお願いしますm(_ _)m

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コメント

いつもmihoclap、愛読してまーす。

これからも色々な場でBMSが広がってくれるといいですよね!

投稿: ky | 2010/05/20 16:01

補足ですがルゼさんのパペ子人形も石王マサトさん作ですよ。

投稿: sng | 2010/05/20 21:48

>kyさん

ご愛読ありがとうございます!とても嬉しいです。
BMS界はともすると、曲をダウンロードしたらハイ終わり!みたいなドライな感じになりやすいので
せめてイベントだけでも期間を通して楽しめるよう、常に試行錯誤しながら記事を考えています。
mihoclapが少しでもBMSの活性化に貢献できるよう、これからも微力を尽くしていきたいと思います!

>sngさん

ぎゃーまたやってしまいましたかー!ミスを減らすのが今年の抱負だったのに何という体たらく。
総評に石王さんのお母様作とハッキリ明記されてましたね。遅まきながら記事の一部を書き換えました。
こういうご時世ですので記事の捕捉や修正は本当に助かります。これからも色々ご指導くださいm(_ _)m

kyさん、sngさん、コメントありがとうございました!

投稿: s_miho | 2010/05/23 00:18

この記事へのコメントは終了しました。

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受信: 2010/05/27 02:00

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