“plugout4 FINAL-PHASE 第1弾” 公開
5鍵盤パッケージ “plugout4” FINAL-PHASE 第1弾
公開:6月27日(日)
主催:Atomic Sphere
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"plugout4" FINAL-PHASEの第1弾が公開されました。
FINAL-PHASEは3段階に分けて公開予定で、今回はその第1弾ということです。
(ならPHASE-"06"で良いのではという気もしますが、要はFINALという言葉の響きの問題なのでしょう)
さて、今回のPHASEでは、いつも以上に豪華制作陣の威容に圧倒されます。
まず注目すべきは☆2“Le Petit Prince (from Adansonia) / cubesato+sweez+hsgn”です。
楽曲担当のcubesatoさん、映像担当のhsgnさんはともに最前線で活躍中のプロのアーティストで、
経歴的に見ても「ええ、なんであなたたちがBMSを作ってるの?」レベルの作家さんなのは疑いありません。
世に才を認められた人たちが作ったBMSとは一体どんなものか、ぜひともプレイしてみてください。
それから☆7“宇宙テレビ / Kaoru feat. ゆきね /Naoki Yotsube”のように、
ニコニコなどでの人気曲がBMSとしてプレイできるのは、とても嬉しいことだと思います。
「好きな曲をゲームとしてプレイしたい」というのは、BMSフォーマット誕生以来の夢の一つです。
PHASE-05の“ガチムチ~”に続き、身近な曲がどんどんBMS化していく流れには期待が膨らむばかりです。
また、愛新覚羅溥儀さん、paraokaさんという二人の超大物作家が復活したのも見逃せません。
両名とも過去に一時代を築いたカリスマで、古参だったら歓喜せずにはいられないことでしょう。
5年以上の空白を経て、彼らの作品はどう生まれ変わったのか…。ご注目ください。
もちろん、現在のBMS界をリードする常連作家たちも物凄いメンバーが揃っています。
BOF2009の覇者Nankumoさん、VERSUSチャンピオンroopさん、B2DUEL三期防衛のtigerlilyさん、
BMSイベント5勝の最多勝作家morigasigeruさんなど、とことん高カロリーで贅を極めた陣容です。
さらに、一見「誰だ」と思える偽名作家の中にも凄い人が隠れていそうな感じで、
どの作品にも見どころたっぷりな、五鍵の頂点を極めた11曲といって過言ではありません。
こんなフェイズ、こんなパッケージはもう当分はないと思われます。
公開に立ち会うことができた幸運に感謝しつつ、心ゆくまで堪能させてもらうことにしましょう。
◆ FINAL-PHASE 第1弾 楽曲紹介と感想
☆1 [DRONE DOOM] Life Is Too Short / Haganai
Haganai(morigasigeru)さんの"plugout4"収録四曲目となる本作は、トータルノーツわずか26の☆1です。
標題の『人生は短すぎる』というディズレーリの格言は、本来「短い一生を有意義に」という前向きな教訓ですが、
本楽曲のヘビーでダークな破滅的サウンドの前では、命などいくつあっても全然足りない気にさせられます。
迫り来るロングノートの圧力に立ち向かい、BMSプレイヤーとしての人生をその手で切り開いてください。
☆1 [MONOLOGUE] 夜から夜 / (マインド・リベレーション・フロント盗聴放送より)
2chの薬・違法板「盗聴の恐怖」スレッド(現行スレ)より、DJ勃起氏の放送をBMS用に再構成した作品。
元ネタとなった盗聴放送は現在停止中ですが、当時のログや、また本作からもその雰囲気は感じ取れます。
夢見心地の映像をバックに、語られるのは現実に這いつくばって生きるちっぽけな男の孤独なモノローグ。
大きめの音量でお楽しみください。ちなみにDJ勃起さんの中の人はthe mlf(反転)さんのようです。
☆2 [FOLKTRONICA] Le Petit Prince (from Adansonia) / cubesato+sweez+hsgn
"plugout4"最大の話題作がついにヴェールを脱ぎました。プロの仕事をとくとご覧あれ。
サン・テグジュペリの「ラ・プティ・プランス(星の王子さま)」を題材に、大胆なカットアップで“Adansonia”を再構築。
豪華制作陣ばかりに目が行きがちですが、真骨頂は音と映像がシンクロする至上の心地よさです。
きらきら星に乗って王子さまが星に帰るまで、一音一音に耳を傾けながら大事に演奏してください。
☆3 [PROGRESSIVE HOUSE] Armillary Sphere / Stella
昨年のBOF2009で好評を博した“lightsphere / Hendrex (Xacla a.k.a. fen)”のリミックスです。
「光球」と題された原曲はチルトランスでしたが、「天球」たる本作は眩しく煌めくプログレッシブ・ハウス。
あたかも互いに対を成す月と太陽のように、好対照で表裏一体のアレンジワークが冴え渡ります。
壮大なギターメロディに聴き浸れば、大宇宙に悠然と浮かぶ星々が眼前に浮かんでくるようです。
☆3 [MINIMALMUSIC] Petal / wi-do
wi-doさんはかつてYAMAHA MUSIC eCLUBのテクノ部門で活躍されていた方とのことですが、
調査したところ、どうやらGotou Seiyaさんの別名義であると思われます(情報不足につき確証はありません)。
本作の“ペタル”とは花びらの意。何枚ものピアノフレーズの花弁が重なり合ってミニマルを形成します。
ゆらゆらと舞いながら聴覚を覆い尽くす音像はさながら陽炎のよう。幻惑美に酔いしれそうになります。
☆4 [FIDGET HOUSE] PLUGOUT / tigerlily / Mentalstock
“PLUGOUT”という直球タイトルがストライク。まさにパッケージを象徴するような一作です。
汗臭くて泥臭くてやんちゃな曲ですが、tigerlilyさんの手にかかればそれは恰好の音楽材料に早変わり。
ブリブリした轟音ベースが跳ねて暴れて、「これぞ男の音楽!」というべき豪放さを惜しみなく披露します。
曲を盛り立てるMentalstockさんのBGAも雰囲気バッチリ言うことなし。暑い夏を一段と熱くする大傑作です。
☆5 [CLASSIC CHILLOUT] 海獣の子供 / 愛新覚羅溥儀
愛新覚羅溥儀さんは初期の大作家で、代表作「チョウの標本」はかつてBMSベスト100の頂点を極めたほど。
数年振りとなる新作“海獣(ジュゴン)の子供”は、人魚伝説でも知られるジュゴンを題材にしています。
海の透明感・清涼感を押し出したサウンドトラック的な楽曲ですが、どこか重々しいテーマ性も秘めていて
瞑想的で深度の高い世界観が展開されます。海獣の生態を脅かすようなVeryHard判定にお気を付けて。
☆6 [ELECTRO] summerghost / paraoka
溥儀さん同様、paraokaさんもBMS初期を支えた往年の名作家です。“L9” “Frozen Bond”などが有名で、
特に“L9”はBMS人気投票2007で第1位に選出されるなど、人気・実力ともに界隈のトップを走った人物です。
“summerghost”には「夏のお化け」という直訳は勿論、「夏の幻影・精霊」という神秘的な意味もあります。
優雅なエレピが奏でる美しきサマーマジック。爽やかでエレガントな夏の魅力を再発見させてくれるでしょう。
☆6 [FUNKY GARAGE] Triple Trouble (roop remix) / roop & murotani loves Beastie Boys
タイトルと名義のとおり、本作は“Triple Trouble / Beastie Boys”のリミックスとなりますが、
ヒップホップ色が濃い原曲から大きく脱皮して、賑やかで痛快なファンクナンバーへと羽化を遂げました。
パンチの効いたラップを主役に、ブラスサウンドと合いの手が華麗にお膳立てする様は、まさにroop節の集大成。
躍動感あるBGAはなんとmurotaniさんの作。"VERSUS.01"の両雄が手を結んだ天下無双のBMSです。
☆7 [ELECTRO FUTURE] 宇宙テレビ / Kaoru feat. ゆきね /Naoki Yotsube
過去にBrilliance名義でも活躍していたKaoruさんのニコニコでの人気作が、BMS界に逆輸入されました。
『近い未来、遠い二人の話』をテーマにしたSFアニメで、宇宙テレビを介して紡がれる男女の淡い物語を
クリックとエレクトロの二部構成で鮮烈に描写しました。特にボーカルが入るエレクトロパートは鳥肌必至。
もとが動画サイト投稿作だけあってヨツベさんの映像がまた凄い。「みんなのうた」も真っ青になる完成度です。
☆9 [TECHNO] QUESTING / Nankumo
BMS界が誇る「テクノ王」Nankumoさんが、plugout4のトリを飾るべく最強のテクノを送り込んできました。
ファミコン世代なら誰しも経験があるように、端子にふーふーと息を吹きかけるところから曲はスタート、
迫力あるテクノとゲーム音源との猛攻により、未熟なプレイヤーを即座にゲームオーバーに追い込みます。
“QUESTING”というタイトルは某ファミコンの竜退治RPGを思わせる語句。五鍵の真理を探し出せるか。
・ 以下感想
どれも凄かったです。堪能しました。
全曲に感じ入るところはありましたが、それでも敢えていうなら☆偶数の作品が好きです。
☆2は公開前から話題独占だったので、幼稚な私は「あら探ししてやろう」とか思っていたのですが(最低、
いざプレイしたらそんな邪悪な気持ちはどこかへ消し飛んでいきました。超気持ちよかったです。
『星の王子さま』が「大人のための童話」として世界中で親しまれているように、
『Le Petit Prince』も「上級者のための☆2」として広くプレイされればこんな素敵なことはありません。
☆4は隙がないですね。曲もBGAも盤石。まだ気が変わるかもしれませんが、現時点では一番好きかも。
りりーさんはロングノートの使い方が上手くて楽しいです。なんだあの演奏感はっ!?
☆6のparaokaさんは懐かしさ半分・新しさ半分でとても嬉しい出来映え。
厳しめのHard判定と特徴的な微ズレ譜面が攻略意欲をそそります。
☆6のroopさんはちょっと終盤が長い気もしましたが高揚感あって楽しすぎるので全然オッケー。
室谷さんがとても良い仕事。一部で素材借用してるせいもありますが、我を抑えてひたすら黒子に徹して
「roopさんらしい映像」に努めているので、異常なまでのマッチング感が出ていて凄かったです。
FINAL-PHASE 第1弾がこれほどのクオリティだと、第2弾にかかるプレッシャーは相当なものですが、
BMS界にせっかく再燃した「plugout熱」を冷まさないよう、このまま爆走して欲しいですね。
第2弾は7月10日公開。もうあっという間です。
☆2 [FREE BEAT] ever-changing (radio edit) / ever-changing
☆4 [UNDERGROUND J-POP] flow / re-flow / monotoon / PALOW
☆4 [PROGRESSIVE TECHNO] gene (plugout4 remix) / wi-do
☆5 [BASSLINE HOUSE] dump your bassline (plugout4 version) / miii
☆5 [POST ROCK] endress dance / monotoon / PALOW
☆7 [ELECTRO STEP] out of your love (Electro Step Mix) / Kate Lasing Remixed by LU
☆7 [CHIPTUNE] SPIRAL (Lo-Fi MIX) / Gotou Seiya Remixed by KARAKURUM
☆8 [HARDCORE] Gun to Childhead (plugout4 edit) / eicateve / Mental Stock
☆9 [TECH TRANCE] phaseflip / ice
☆6 [ELECTRONICA] ???? / ????
☆8 [CHICAGO HOUSE CLASSIC] ???? / ????
☆8 [PROGRESSIVE BREAKS] ???? / ????
まだ未定(シークレット?)の曲もあるようですが、次回は総勢13曲もの大所帯。
PHASE-05のBGAもついに公開されるとのことなので、期待して待ちましょう。
plugout4
http://atsp.bms.ms/
_____________
サッカー日本代表負けちゃった (ノ_-。)
悔しいけど夢をありがとう。胸を張って日本に帰国してください。
コメントと拍手、いつもありがとうございます。励みになります。
パラグアイのせいで今日は眠いので、レスは明日の仕事が終わったあとにて失礼します…。
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コメント
余談ですが、Le Petit PrinceのBGA:Vanishing Pointのhsgn氏による、
"四畳半神話大系"のエンディングも素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=P8uVeSuYjfs
監督がVanishing Pointを見て、本ED映像の依頼をしたのだとか。
いろんなところで、いろんな繋がりがあるんですね。
投稿: | 2010/06/30 15:07
仰るとおり、本当に素晴らしい映像ですよね。
恥ずかしながら私は、plugoutがきっかけでhsgnさんを存じ上げたような情弱でありますが、
ともすれば無機質になりがちな図形たちを、命が宿ったかのようにモーションさせる手腕には舌を巻くばかりです…。
Vanishing Point→四畳半というのは初耳でした。BMSが縁となるとは、界隈に身を置く者として誇らしい限りです。
“Le Petit Prince”は、BMS界全体にとって大きな財産になった作品だと思います。
hsgnさんもcubesatoさんも、これを機にBMSの世界へ参入してくれたらこの上ない幸せですね。
コメントと情報提供ありがとうございました!
投稿: s_miho | 2010/07/01 01:03