2010年上半期ベストBMS
恒例の「上半期ベストBMS10選」の集計です。
今年上半期で最も支持を集めたBMSは一体どの作品でしょう…?
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2010年は例年にも増してたくさんのBMSがリリースされています。
BMS memoのbamgraさんの仮集計によると、上半期に発表されたBMSは総計379曲とのこと。
(ちなみに09年の上半期は約200曲だったので、なんと倍近くものBMSが発表されています)
それらの作品の中から、最も気に入った10曲を列挙する恒例企画「上半期BMSベスト10」。
今年はなんと46名もの協力が得られ、合計151作品、457票もの投票が集まりました。
どうもありがとうございます。謹んで無断集計させていただきます。
・ 企画賛同者一覧 (敬称略)
373.3 8556 A!key Athame bamgra cybermiso dj Extrose Est EXCALIpUR exci FALL Hate
hi-low hinodai j.pami kireji kisama kizkiz LiTaNia loca LU megaphone MIX-MAX murotani
Nitrix P.E. Ritsu s_miho sa10 scytheleg Symphonian tarolabo tbstk Tomo TOHRU MiTSUHASHi
TrioStaR U.P. wosderge xenothium Ym1024 瓜 えいか でるた びっとあっぱー フォーニ ルゼ
上に挙がった面々を見てみると、やはり今日の界隈を引っ張るBMS作家さんが多いですが、
BGA作家・情報サイト運営者・一般プレイヤーなど、BMS界への関わり方はまさに十人十色。
しかし彼らに共通している点が一つ。それは「今年上半期のBMSシーンを追いかけてきた」ということです。
イベントや登録サイトを逐一チェックし、半年間に数百作品もBMSをプレイするのは簡単なことではありませんが、
莫大な時間や手間を要してでもBMSをやりたい!というBMS愛に溢れた面々が名を連ねているわけです。
当ランキングでは、イベント結果・IR人気などとは異なる結果になっている点も多々見受けられますが、
BMSシーンを追い続けてきたプロ(?)たちが、半年間の相対評価で選出したオススメBMSですので
変な偏見や先入観を捨て、一つの参考としてご覧いただければ幸いです。
海千山千のBMS通たちが選んだ「上半期最高のBMS」は何なのか、ぜひともご注目ください。
それでは早速、獲得票数が少なかったものから順に発表していきますが、
1票(62作品)、2票(26作品)、3票(25作品)、4票(13作品)までは作品数が多すぎるので割愛し、
5票獲得の20位グループから順に発表していきたいと思います。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第20位 5票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[RECOLLECTION TRANCE] Memoria / nmk feat.かなえゆめ
http://tohotodan3.iza-yoi.net/start/hall/toho3hall1.html
[Progressive Rock] 魔界イコノクラスト / 銅螺子
http://www.karkan.net/
[テクノロジー] なんじゃ村ほいほ~い / ニトロサイクロン
http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=3&event=62
[BREAKBEATS] グッド・バイ / チトセとthe mlf
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 PHASE-03より)
[MONOLOGUE] 夜から夜 / (マインド・リベレーション・フロント盗聴放送より)
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 FINAL-PHASE 第1弾より)
[TECHNO] QUESTING / Nankumo
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 FINAL-PHASE 第1弾より)
20位には同票で6曲が並びました。いずれも甲乙つけがたい名作です。
“Memoria” “魔界イコノクラスト” はともに東方音弾遊戯3登録曲です。
前者は東方アレンジBMSとしては珍しい歌モノ、後者は激しい変拍子が特徴的なプログレロック。
どちらもプレイして驚きのある東方アレンジで、原作・原曲への深い愛が感じられる作品となっています。
「東方にはあまり興味がなくて…」という方も、この2作は当然チェックしておくべきでしょう。
“なんじゃ村ほいほ~い” はChaosStage登録曲で、同イベント組では本ランキング最上位。
意味不明な歌詞と、脱力系ボーカルの純子先輩がやたらと耳に残って中毒性が高いです。
ちなみに中の人は(暗黙の了解のようなのでバラしますが)、大方の予想通りCRUNCHさんでした。
残り3曲はいずれもplugout4からです。
“グッド・バイ” “夜から夜” はともにチトセさんの作。3年ぶりの復活ということで話題を呼びました。
どちらもモノローグを多用した異色の楽曲で、一般的な流行音楽とは一線を画するものです。
妖しくも詩的。感受性豊かな世界観。間違いなく人は選びますが、一度は触れてみるべき楽曲です。
“QUESTING” はBMS界のテクノ王・Nankumoさんがplugoutに送り込んできた脅威の破壊兵器です。
その譜面の密度はもはや5鍵の常識を越えています。まさに新・5鍵の頂点に君臨する作品と言えましょう。
以上6作品が20位集団でした。続いて第16位の発表です。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第16位 6票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[NU SKOOL BREAKS] Ire / rife
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 PHASE-02より)
[SCHRANZ] polymeric congealment / siromaru
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 PHASE-03より)
[trance core] 感情の摩天楼~PandoraBox / ZUN remix by 44teru-k
http://oblivion.dip.jp/creation/index.htm
[SPANISH CROSSOVER] The freak is thrilled by a rose. / remixed by
xenothium
http://roaraddiction.mods.jp/
16位には4曲。「これが6票!?」みたいな豪華楽曲が揃いました。
“Ire” の中の人は削除さん。元日公開だったplugout4 PHASE-02の☆9ボス曲を務めました。
アグレッシヴな高速ブレイクビーツが印象的で、新年初failedがこの曲…という人も多いはずです。
“polymeric congealment” もplugout4から。シロマル=シュランツという完璧な方程式を見せてくれました。
近頃のBMS界ではめっきり貴重となったハード成分をがっつり完全補給させてくれます。
“感情の摩天楼~PandoraBox” は東方音弾遊戯3登録曲。東方BMSとしても本ランキング最上位でした。
音弾遊戯のIRプレイ数(mihoclap調べ)でダントツ1位となるなど、そのプレイヤー人気は計りしれません。
“The freak is thrilled by a rose.” はDJMAXアレンジイベントOver Velocity Arrangementの優勝作。
BMSでは珍しいフラメンコ風の曲調が目を引きます。7鍵差分も公開されたので、この機に再プレイはいかが?
ということで、16位の4曲でした。次は順位を飛ばして11位集団へと移ります。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第11位 7票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[Drum'n'Bass] Close the Lights / カラフル・サウンズ・ポート
http://csport.web.fc2.com/
[JAZZ FUSION] .357 Magnum / xi
http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=12&event=61
[PSYTEC] 3.14 / ルゼ
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 PHASE-02より)
[CROSSOVER] AURORA / roop
http://www.str3.org/
[FUNKY GARAGE] Triple Trouble (roop remix) / roop & murotani loves Beastie Boys
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 FINAL-PHASE 第1弾より)
11位には5曲。このあたりから威圧感ある楽曲だらけになってきます。
“Close the Lights” のカラフル・サウンズ・ポートさんは今年BMS作者デビューした超新星。
処女作である本楽曲は特に評判が高く、pupulyでの獲得☆は当時の最高記録を樹立しました。
下半期での大きな飛躍も期待され、BMSファンなら今後最注目の作家さんの一人でしょう。
“.357 Magnum” は超高速イベントEXTREMEBEAT優勝作。文字通りBPM357の爆速ジャズです。
2年前のMAXBEATでデビューしたxiさんが、EXTREMEBEATでイベント初優勝を飾るというのは実に劇的。
その譜面は発狂の難易度表にも登場するほどで、上半期で最も攻略意欲をそそられる作品の一つです。
“3.14” は個性派譜面が多いplugoutにおいても、一度見たら忘れられないほどアクの強い問題作でした。
圧巻なのは円周率のように延々と連なる縦連打。1キーをひたすら連打すること52発。しかもそれが2度出現。
縦連打バカキングを襲名したルゼさんならではの個性が眩しい極悪BMSでした。
“AURORA” “Triple Trouble (roop remix)” の2作品はどちらもroopさんの作です。
前者はタイマンイベントVERSUS.03出場作。挑戦者miiiさんを相手に横綱相撲で勝利を収めました。
roopさんは王座を3連続防衛中で、この記録をどこまで伸ばせるかも下半期の注目の的の一つでしょう。
後者のBGAはかつてVERSUS.01で倒したmurotaniさんが担当し、図らずも両雄の和解作(?)となりました。
リミックスワークに定評のあるroopさんの魔術が炸裂し、原曲も逃げ出すようなノリノリの逸品に大変身。
お洒落な “AURORA”、ファンキーな “Triple Trouble”。2作セットでroopさんの醍醐味を堪能してください。
次からはいよいよベスト10の発表です。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第9位 8票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[FOLKTRONICA] Le Petit Prince (from Adansonia) / cubesato+sweez+hsgn
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 FINAL-PHASE 第1弾より)
[ROTTERDAM TECHNO] NS20 / 3034
http://blog.naver.com/lch0234
9位には2曲。同率順位も減ってきて、作品数もいよいよ絞られてきました。
“Le Petit Prince (from Adansonia)” は年明け頃から「plugout4の目玉」と言われてきた話題作。
楽曲のcubesatoさん、映像のhsgnさんはともに創作界の最先端を走るプロのアーティストで、
どういう縁かBMSに電撃参戦し、「気持ちよくて、美しい」至高の作品を作り上げてくれました。
「BMS作家がプロになる」ことはたまにありますが、「プロがBMSを作る」のは前代未聞。プレイ必須です。
“NS20” は韓国作家3034さんによる第七回無名戦出場作。49曲中4位という好成績を残しました。
本作には “NS18” という姉妹作(EXTREMEBEAT出場)があり、そちらも2票を獲得しているので、
この「NSブランド」は上半期最大のシリーズBMSといって良いかもしれません。
ちなみにタイトルの「NS」ですが、どうやら「Neo sample Series」の頭文字を取ったもののようです。豆知識。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第6位 10票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[HOUSE] More Selfish
/ mommy
http://mommy16807.seesaa.net/
[IDM] κανων
/ tarolabo
http://www.fnbi.jp/tarolabo/
[ELECTRO
FUTURE] 宇宙テレビ
/ Kaoru feat. ゆきね /Naoki
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 FINAL-PHASE 第1弾より)
2桁得票となる6位に3曲。ここからはオートプレイ動画も掲載していきます。
“More Selfish” はmommyさんのTM<K>RM時代の名作 “Selfish” のセルフリミックスです。
「楽しいBMS」というコンセプトの通り、色々詰め込んでハチャメチャに楽しい逸品で、
More Selfish(超ワガママ)なプレイヤーでも必ず満足のできるボリューム感ある仕上がりとなっています。
なおmommyさんは過去作のカバーに非常に熱心。次は “Heavy Makeup” の番でしょうか…。
“κανων” は「カノーン」と読みます。古代ギリシャ語で「基準」とか「規範」という意味。
tarolaboさんは近年IDM系の音楽に傾倒している印象ですが、本作はその決定版といった趣で、
荘厳にして激烈な前衛的楽曲ながら、いざ耳にしてみると天衣無縫で素直に聴けるというスゴイ作品。
下半期の大一番・BOF2010でもtarolaboさんはカオスチームで出場予定。さらなるカオスが見られるでしょうか。
“宇宙テレビ” はKaoru(Brilliance)さんがニコニコ動画で発表した作品のBMS版です。
近未来の宇宙世界での1シーンを切り取ったSFストーリーアニメーションもので、
動画を見てるだけで凄かったのに、それが実際にプレイできるとあって物凄い反響を呼びました。
一時はBMSから引退も考えてたというKaoruさんですが、もうこれは撤回せざるを得ませんね。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第5位 11票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[FIDGET HOUSE] PLUGOUT
/ tigerlily / Mentalstock
http://atsp.bms.ms/
(plugout4 FINAL-PHASE 第1弾より)
いよいよベスト5。ここからは同票同率なしで各順位1作品ずつです。
“PLUGOUT” は曲名を読めば明らかなようにplugout4で発表されたBMSです。
大胆不敵すぎる直球タイトルで、一歩間違えれば曲名負けしかねない危険な賭けでしたが、
この順位を飾って結果を出したことで、名実ともに「plugout4の看板」たる地位を不動のものにしました。
格好良さでは上半期屈指の楽曲ですので、7鍵派・高難度派の方もぜひプレイしてみてください。
今年は寅年ということで、虎男・tigerlilyさんはきっと下半期も大仕事を成し遂げてくれることでしょう。期待です。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第4位 13票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[Prog Pop] The Lady Is A Trump
/ Damjoy
http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=28&event=61
第4位は “The Lady Is A Trump” です。
完全な偽名作品(中の人の見当は付きますが)で、出場したEXTREMEBEATでは32曲中6位ながら、
上半期ベストBMSではそこから更に順位を上げてきました。なんて晩成で恐ろしい子…。
楽曲と映像の世界観・発狂BMSにも認定される高速譜面など、その面白さは多方面から評価され、
多くの中毒的・熱狂的ファンを獲得しての上半期第4位入賞となりました。
ちなみに本作には元ネタがあるようです。曲名で検索すれば出てきますので、興味ある方はググってみては。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第3位 17票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[SHIBUYA-KEI] Still Alive In Love
/ FALL feat. yufu_sekka
http://www.likeside.net/
いよいよベスト3!第3位は “Still Alive In Love” でした。
EXTREMEBEATでは、わずか1票差で “.357 Magnum” に競り負けて準優勝に終わりましたが、
ここでは捲土重来を果たし、EXTREMEBEAT勢の本ランキング最上位へと上り詰めました。
BMS界で(たぶん)初の渋谷系、雪歌ユフによるスキャットボーカルは幅広い支持を集め、
週刊UTAUランキング#68で1位となったり、兄貴MADが作られたりと、BMS外でも人気沸騰。
お洒落な楽曲、無駄のない展開、演奏感ある譜面、統一感ある映像…。まさにお手本のような作品です。
ヒット作が多いFALLさんですが、とびきりの代表作の一つとして代々語り継がれることでしょう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第2位 19票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[Progressive Trance] Silver Connection
/ TrioStaR × Mentalstock
http://triostardust.blog96.fc2.com/
上半期の準ベストBMSとなる第2位は “Silver Connection” でした。
昨秋からインプレイヤーとして活躍していたTrioStaRさんの(事実上の)デビュー作は、
アレンジャーのリリカ*さん・BGAのMentalstockさんとトリオを組んで制作された本格トランスです。
迫力の音圧とずば抜けたクオリティにより、リリースと同時に一大ムーブメントを巻き起こし、
登録先のpupulyでは、史上空前の☆122(上半期終了時点)という不滅の大記録を樹立。
まさしく「桁違い」の作品の爆誕で、BMS界の全土に大きな衝撃とやる気を与えてくれました。
来たるBOFでは、再びリリカ*さん・Mentalstockさんと共に新作を発表することが決まっています。
「シルコネの再来なるか」という点も、BOF2010の大きな見どころの一つと言えそうです。
そして栄えある第1位は…!?
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 第1位 21票 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
[ELECTRO/BREAKS/DUB STEP] eccentric ghost channel as Poltergeist
/ cybermiso
http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=50&event=63
2010上半期ベストBMS、堂々の第1位は “eccentric ghost channel as Poltergeist” でした。
本作はトップクリエイターへの登竜門イベント・第七回無名戦の優勝作で、
なんと(自称)無名作家の作品が上半期ナンバーワンに輝くという、奇跡のサクセスストーリーを実現しました。
なお、無名戦史上最高インプレ数、上半期最高インプレ数(国内)など、陰のタイトルも総ナメにしていて、
もはや文句の付けようもない、2010年前半を代表するにふさわしい名作と断言できるでしょう。
46人の投票者のうち、半数近い21人が「上半期の10選に入る」と太鼓判を押した要因としては、
楽曲の面白さもさることながら、独創的でゲーム性の高い譜面の影響が大きいはずで、
何だかんだ言ってもBMSはゲームなんだ、という至極当然なことを改めて思い知らされた気がします。
cybermisoさんはBOFにも勿論エントリー済で、夏以降はBMS界の本命の一人として活躍してくれるでしょう。
まだBMSの発表数は3作と少なく、いまだ底を見せていないので、今後どこまで伸びるか期待は膨らむばかり。
大きなタイトルを獲得して再びBMSの歴史に名を刻めるか、cybermisoさんの下半期の動向に注目です!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 総合順位 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ということで、上半期ベストBMSの順位を振り返ってみます。
全順位・全投票詳細はこちらからどうぞ(超重いです)。
cybermisoさんとTrioStaRさんがワンツーを飾ったのが象徴的ですが、
今年の上半期は、キャリアの浅い作家さんの躍進が目立った半年間だったと思います。
この二人以外にも、イベント優勝のxiさんとxenothiumさんや、pupulyで名を馳せたカラフル・サウンズ・ポートさんら
素質ある作家さんがどんどん本格化し、界隈の勢力図が急激に変わりつつあるような印象を受けました。
とはいえ、ランキングを見る限り、まだまだFALLさん、tigerlilyさん、tarolaboさんなどといった
ここ数年のBMS界の大黒柱は健在ですし、そう易々と若手に主役の座を明け渡すつもりもないでしょう。
5vs7やBOF2010などこれから始まる大イベントでは、新旧入り交じっての激戦が期待できそうですね。
さて、ここに載っている作品は、上半期379曲のうちのベスト20ということで、
上位約5%に属するようなハイレベルの作品群です。持っておいて決して損はないでしょう。
全作品が現在もダウンロードできますので、お持ちでない作品があれば忘れないうちにどうぞ。
また、良い順位を獲得した作者さんは、これで奢ったり満足したりせずに、
今後もBMSのクオリティとリリースペースを維持して、投票者たちの熱い期待に応えてください。
残念ながらランクインできなかった人も、「こいつら全員耳が腐ってやがる」くらいの反骨心を持って
改めて全力投球の素晴らしい作品を制作し、投票者たちを見返すよう努力してみてください。
下半期も良質のBMSが多数リリースされることを楽しみにしています!
以上、2010年上半期ベストBMSの最終結果発表でした。
◆ おまけ 2010年上半期ベストBMSアラカルト(作品編)
★ 作者別 得票ランキング
「上半期ベストBMS」で挙がった票を、作者別にソートしたものです。
作者別の獲得票、1~3位までは総合ランクの上位3人が独占しました。
1作品であれほど票を稼がれては、他作家もなかなか太刀打ちできないところでしょう。
ただし、Damjoyさんの中の人によっては、まさかの1位逆転という可能性もあります。
今のところ真相は謎ではありますが…。
★ 作者別 入賞作品数ランキング
「上半期ベストBMS」に各作者が何作品ノミネートされたか、の順位です。
近年、特に精力的に活動している印象の作家さんが並びました。
1位のmorigaさんは総合ランクの上位にこそ入りませんでしたが、なんと7作品に票が投じられていました。
その内訳は、“Ancient”(4票)、“Angry Indian”(3票)、“Life Is Too Short”(2票)、
“Funuke Show Some Love”、“Khoomii Dance”、“money”、“がんばれ日本”(各1票)で、
morigaさんは上半期7作品のBMSをリリースし、その7作品全てに票が入るという快挙を成し遂げました。
2位の3034(SANY-ON)さんは6曲制作して5曲が入賞、3位のsa10さんは5曲中4曲が入賞しています。
非常に多作で、しかも良作だらけ。BMS作者の鑑のような方々ですね。
★ 出展別 作品数ランキング
「上半期ベストBMS」の票を、イベント・パッケージ・一般リリースなど、発表場所ごとに集計しました。
1番多かったのはダントツでplugout4の総計でしたが、それを除けばEXTREMEBEAT勢が強かったようです。
ほとんど差がなくFINAL-PHASE第1弾、第七回無名戦と続いています。
日本の投票者がほとんどだったせいか、KBP2010はやや過小評価されぎみでしょうか。
イベント以外の一般リリース系では、pupulyの登録作が中心勢力となっていたようです。
意外に好調だったのが、レビューサイト不使用の自サイト公開作品。結構チェックされてるみたいですね。
上のランキングは単純な票数勝負なので、登録作品数が多いイベント・レビューサイトが有利です。
作品数の違いを考慮し、「票数÷作品数」のアベレージ順に並び替えると下のようになります。
FINAL-PHASE第1弾とVERSUSが平均水準が高いイベントだったようです。
登録サイトではやはりpupulyが強いですね。下手なイベントに出すより目立つのかもしれません。
◆ おまけ 2010年上半期ベストBMSアラカルト(投票者編)
★ 投票者別 選出した作品の平均得票数ランキング
「上半期ベストBMS」では投票者は10作品(以内)まで選出できたわけですが、
その選んだ作品が、平均して何票獲得しているかを示しているかを調べたデータです。
この数値が大きいほどBMSの好みが一般的で、小さいほど独自の価値観だということになります。
なお図中の赤線が平均値となります。
上半期に「人気曲=自分の好み」という傾向が強かったのは、
ミツハシさん、bamgraさん、でるたさんなど、非BMS作家において顕著だったようです。
作者さんではLiTaNiaさんやFALLさんなど、ポップ系に適正のある人が上位という印象があります。
逆に、「人気曲は意に介さず、自分の感性を信じる」タイプとしては、
Symphonianさんや8556さんなど、音楽観に一家言あるBMS作家さんが非常に多く、
(昨年も書きましたが)LUさんやNitrixさんのように、特定のジャンルを追い求める作家さんが目立つ感じです。
この統計は、あくまで曲の好みの傾向で、良し悪しの問題ではありません。
数値が高い人は「一般感覚を持ち、良い曲を良いと素直に評価できる」と言えますし、
真ん中らへんの人は「偏った音楽観を持たず、広い視野を持っている」ことになりますし、
数値が低い人は「他人の評価に惑わされず、自身の感性が確立している」と言えるでしょう。
自分では「ベタな選曲」と思っていても、周りから見れば「意外」というようなこともありますし、
日頃気づくことのできない、自分の音楽性のポジションの確認用として参考程度にご覧ください。
★ 投票者別 選出した作品の平均難易度数ランキング
「上半期ベストBMS」に投票した10曲の、平均難易度を調べたものです。
選出曲と難易度にはどういう関係が見られるのでしょう。
こちらも図中の赤線が平均値です。
(正規譜面のみ対象。☆15以上の譜面は一律☆15として計算、☆0は特殊な難易度なので計算除外しました)
上位陣は「多くのオブジェを叩き、難しい譜面を攻略する」ことを重視していると言えますが、
特に難しい曲を好んだのがEXCALIpURさん。選出曲の平均難易度は驚異の☆9.8です。
以下、8556さん、Symphonianさん、locaさん、megaphoneと続きますが、
傾向としては、1コ前のランキングで「価値観が独自」だったタイプの人が多い感じです。
逆に下位は「オブジェの打鍵感・演奏感」を重視し、まったりプレイを好むのでしょう。
Athameさん、Hateさん、FALLさん、murotaniさん、Estさんらが代表的のようですが、
なんだか共通点が微妙に見出しにくいメンバーのような…(汗
★ 投票傾向分析
上2つの統計の数値をもとに、誤差が少なくなるよう更にもう一計算加えて、
「ポピュラー指向・マイナー指向」と「高難度指向・低難度指向」の2つの観点から
各投票者のポジションを図示しました。
詳しい数値はこちらを参照
図にしたことで、自分の位置取りや、誰が自分と近いタイプなのか等わかりやすくなったと思います。
中心から目盛り1つ以内ならほぼ平均的、2つ以上離れると好みにうるさいという感じです。
現実的には、この2つの尺度だけでプレイヤータイプを分類することなど到底できませんが、
ある程度の方向性みたいなものは現れていると思いますので、ご参考までにどうぞ。
今日のBMS界の主流と言えば、右上に属する「人気曲・高難度」派なのでしょうけど、
こうして見てみると、BMSの好みなんて人によって千差万別と感じさせられます。
こういった多様性が普通に存在できるところが、非商業作品であるBMSの強みの一つと言えますね。
◆ クレジット
最後になりましたが、上半期ベストBMSを書いてくれた方々の記事へリンクを貼っておきます。
選出コメントを公表している方もおりますので、興味があるようでしたらぜひご訪問ください。
★ 自サイト・ブログ等で公開
- bamgra / 首吊り日記
- hi-low / Re:すたーと だっしゅ。
- j.pami / まあ適当に ※全曲コメント付
- kisama / メモメモ
- kizkiz / soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか
- LiTaNia / LiTaNia's RЁVOLUTIФN -Side E- ※全曲コメント付
- loca / locaのBMSれび~う ※全曲コメント付
- megaphone / megaphone diary ※全曲コメント付
- MIX-MAX / MAXBOX3.1 ※全曲コメント付
- murotani / murotaniarchives
- Nitrix / びむえす雑記帳 ※暫定版にコメント付
- sa10 / ゥ ※全曲コメント付
- tarolabo / tarolabo日記(全体攻撃、中威力、追加効果「キノコ化」) ※全曲コメント付
- TrioStaR / TrioStaRdust Review
- U.P. / U.P.のBMS 簡易版
- wosderge / 微粒子
- えいか / mihoclap コメント欄に寄生
- 瓜 / 瓜がBMSをプレイして感想を書いたりするブログ ※コメントは別途記事にて
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皆さんのお陰でたくさんのデータを得ることができました。ご協力ありがとうございました。
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コメント
集計おつかれさまです!
相変わらず濃厚なデータと読み応えのある記事ですごい!面白かったです!
こう見ると今年上半期は色々な分野からそれぞれ良いBMSが出ましたね…!
余談ですけどFINAL-PHASEをプレイし始めたのが7月だったので勝手に下半期作品だと思ってました…
Le Petit PrinceのクオリティやPLUGOUT、QUESTINGのインパクトも素晴らしかったですね…!
投稿: loca | 2010/07/17 21:09
どうもありがとうございます!
多くの方々の助力を得られたおかげで何とか形にすることができました。
昨年のベストBMSではlocaさんを集計しそびれて、いまだに申し訳ない気持ちを引きずっているのですが、
今年はちゃんと最低限の仕事をしたことで、ようやく吹っ切れるかなあという思いでいます。
FINAL-PHASEは凄かったですね、あれを10選に挙げなかったのは勿体ない!
plugout4もそろそろ完結するみたいですが、これはもう最後まで目が離せませんね。
コメントありがとうございました!
投稿: s_miho | 2010/07/19 00:10